全然必殺シリーズでは無いのですが、江戸モノが好きなのでそれ関連の本もいろいろ読んだりします。
宮部みゆきの時代小説も結構好きですが、最近は畠中恵がお気に入り。江戸モノに限らず全部制覇中です。
ただし畠中恵の現代小説はちょっとウケ狙い気味なところと、主人公が「しゃばけ」の若旦那ほど穏やかではないというところに違和感あったりしますが。
「しゃばけシリーズ」は有名です(と思いたい)が、この「つくもがみ貸します」は、妖怪は妖怪でも、世に誕生して長い間を経て、「つくもがみ」という妖怪になった古道具たちが絡んでくるお話です。
妖怪たちの形状は想像するしかないですが、本に登場するのは、蝙蝠の形をしている根付の「野鉄」とか、姫様人形の「お姫」、掛け軸の「月夜見」、帯どめの「黄君」など、わくわくするグッズたちです。帯留めに手足が生えていたりするんだろうか?!
そして損料屋兼古道具屋の「出雲屋」を営むお紅と清次のきょうだいのもとに、いろいろな難題や事件が持ち込まれ、つくもがみたちをうまく使ってそれらを解決していく…という感じの物語集です。
まあこのきょうだいの間にも事情があって、実はホントのきょうだいじゃないし、姉の方は「蘇芳」というものに執着し続け探し続けています。
そして清次の方はこういうシチュエーションにお決まりで、お紅のことがずっと気になっていたり…逆のパターンもあり得そうですね!
「付喪神」になるためには100年の時間が必要だそうですが、ただ100年経っただけでは妖になることはできなそうです。やっぱりそこには「大事にされた」というオプションが不可欠なようですね!
ということは家電だと100年大事に使い続ける…というのは無理かもしれませんねえ。
っていうか身の回りに100年使えそうな何か、ってありますか?!
まわりを見回した感じだと、瓶とかサッシとか?DVDとかCDはどうなんだろ。
データーは消えても形状は保ってそうな気がしますが。
唯一可能性がありそうなのはウチのねこたちが、100年生きたら「ねこまた」になるんじゃないかと期待しているのですが。
しかしそれにはまだあと80年以上かかるので、多分私がそれを確認することはできないでしょう…なんか悲しくなってきた!(ノД`)・゜・。
ってことでこの「つくもがみ貸します」も妖怪&謎とき&江戸という、1粒で3度おいしいみたいな本になっています。
主人公はほぼ清次ですが、この作者の江戸モノに共通している感じの、優しげでおだやかそうな人物です。
話の終わり方から見てシリーズ化はないかな?どうかな?という感じですが、もっといろいろな付喪神も見てみたいので、続編を期待したい作品の一つです!
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